「鈴花。」 「あ、大輝。どうしたの?」 「これ、バスカード返すの忘れてたって。」 「あ、ありがとうわざわざ。」 「鈴花ほんとに一人で大丈夫?」 「うん!」 「そっか、なら俺は戻るわ。 お疲れ様!」 そう言って俺が歩き出したとき。 「大輝。」 「ん?」 「ありがとう。大輝、ほんとにありがとう。」 「おう。気にすんな。」 やっぱり鈴花は可愛くて。 でも俺は、可愛いから鈴花が好きなわけじゃない。 もう鈴花の全部が好きなんだ多分。