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「大輝~。そんなしょげんなって。」



「彼氏いるのは想定してたんだけどさぁ。
初日からみちゃうとさぁ。はぁぁぁ。」


あれから、どういう流れでそうなったかも全く覚えてないけど、気づいたら健ちゃん家にいた。



なんていうか、どうしようもないけど
でもやっぱり悔しい。


「ごめん健ちゃん。ホントだったら今頃ハンバーグとか食べてたのに。今から行く?」


「いや、宅配ピザでじゅーぶん。」


「はぁぁぁぁ。ほんとごめんな。 」



おごるって約束したものの、知らないうちに(というか記憶ない)宅配ピザ頼んでてくれて、結局ごちになってしまった。


「健ちゃん。俺このまんま鈴花ちゃんに恋してていいのかな?」

「どゆこと?」


「鈴花ちゃんにとっては迷惑じゃん?
だって名前も知ってるかわかんない男が
自分の名前しか知らないのに好き好き言ってんだよ?
しかも彼氏いるのに。」



「大輝はもういいの?」


「いいっていうか、諦めるしかないのかあって。」



ふぅ、っとため息をつくと健ちゃんは
俺の目を見た。