それから部屋まで私たちは終始無言だった。
「どうした?レイ。」
「っ.......」
紘也くんの優しい声に言いたくないっていう感情があふれる。
けど、言わなきゃ。
グラウンドであってからじゃ、遅いよね。
「わっ、私、櫻川のマネで、竜門の事...紘也くんの事...調べるためにスパイしてたの。ごめんなさいっ...。けどっ、紘也くんと過ごした時間ゎ...本当に楽しかった...。」
最後の方は涙が出て上手く言えなかった。
「わ、たしのこと...き、嫌いになった....?」
泣きながら尋ねる。
「なわけないだろ。」
そう言って優しくわたしをつつむ。
「櫻川のマネでスパイだったってのゎ驚いたけど。」
「っ...ごっ、ごめんなさい.....。」
「ふっ.....こんなんじゃ嫌いになってやんねーぞ。」
「えっ....?」
驚いて顔を上げる。

