「なぁ、灯夜(とうや)。今日は食べねぇの?」

学校の昼休み。

幼馴染の蓮に一緒に弁当を食おうとさそわれた。

「わりい、今日ちょっと疲れてるから寝てくるわ。飯は適当な時間に購買で買ってすませるから」


「そうか、授業はじまりまでにはもどってこいよー」

「おう」

教室を出ると扉付近でさっきからこっちをじろじろ無遠慮に見ていた女子の軍勢が色めきたった。

「ねえねえ、灯夜くん、一緒に中庭行かない?」
「私たちクッキーつくったの、たべて」
「放課後カラオケ行こうよ!!」

口々に騒ぎ立てられる。うざいったらありゃしない。

「ごめんね、俺ちょっと用があるから、またあとで」

精一杯悲しげな顔を作ってやって廊下をあけてもらう。

「またくるからねーー!!」

そんな声を背中で聞きながらとりあえず屋上に向った。


っかしあほじゃねえの。こんなに騒ぎ立てて、近所迷惑だっつーに。
本当に好きならこんな風にしてて迷惑だって気づくもんじゃねぇのかよ。
ほんと、だるくてかなわない。