教室の前。
なぜかあたしはコウと同じクラス。
偶然?
クラスもおばあちゃんが?
まさかね…。
あたしはずっと下を向いていた。
家から学校までの間、コウがあんまりにも普通だったから
あたしは自分の傷の事、忘れてた。
傷なんかないんじゃないかってくらい
コウが普通だったから。
でも…
学校に着いてすぐに現実は襲ってきた
「おーす。コウ。」
「おう。」
「あーもしかして転校生?よろしく…
うわっ!?
「おいっ!」
「ご、ごめんっ。コウ、俺先行くわ。」
「待てよ…っ。」
追いかけようとしたコウの腕をつかんだ
振り向くコウにあたしは何も言えなかったけど。
…そしてコウも何も言わなかった。
教室まであたしは下を向いてた。
あたしの横をコウが黙って歩いた。
教室の前。
コウがまたいきなりあたしの顔をのぞいた。
何?のぞくのはクセ?
「なに。」
もう帰りたい。
教室に入ればまた皆があたしを見る。
そしてまたあたしは1人。
「大丈夫。俺がついてる。」
そう言ってあたしの手をつかんで教室の戸を開けた。
ちょっとっ。まだ心の準備が…
あたしのそんな気持ちを無視して
「おーす。おっはよー。」
コウは元気にアイサツした。
「コウ、おはよー。」
「おせーよ、コウ。」
コウが教室に来ただけで皆が笑顔になる
人気者なんだな。
あの外見にあの人懐こさなら当たり前か
ただそこにいるだけで皆を笑顔にさせてしまう。コウはそうゆう人だった。
「ナオ!こっち。」
コウの声に皆があたしを見る。
「みんな!コイツ北山ナオ。今日から仲間だからな。」
「すごい傷。」
どこからか聞こえた声にコウが怒鳴る
「今言ったヤツ誰だよ!」
静まりかえる教室。
コウの声だけが響く。
「誰だって言ってんだよ!」
誰も出て来ない。
何分たったのか
あたしにはすごく長く感じた。
ガラッ
教室の戸が開く音に目を向けると
40歳くらいだろうか。
男の人が立っていた。きっと担任の先生だろう。
「どうしたー?授業始まるぞ。」
男の人はあたしに目をやると一瞬驚いた顔をしたがすぐに優しい笑顔になった
「おー君が転校生か。コウが連れて来てくれたのか。」
「おー」
コウはまださっきの声の主に腹が立っているみたいだった。
「とりあえず、みんな着席だ。君はその窓側だ」
先生の声にみんなザワザワと席につく
「コウにまとわりつくなよキモイ」
「コウが嫌がってんの気づけよ」
あたしは動けなかった。
それが傷の事を言っているのかは分からなかったけど、
声に出して「キモイ」と言われたのは
あの事故以来初めてだったから…。
「ん?どうした?えーっと北山?」
担任の先生の問いかけにも何も答えられない。
みんながあたしのほうを見てる
でも足が、身体が動かない。
「ナオ?」
コウがあたしの肩に手を置いた。
その瞬間、あたしの目から涙がこぼれ落ちた。
「あたしにかまわないで!偽善者!」
あたしは思い切り走って教室を飛び出した。
「ナオッ!待てよ。」
男の子には勝てない。
あっという間に追いつかれて手をつかまれる。
「どうしたんだよ!ナオ。」
「ほっといてよ!」
「ほっとけるかよ!ばあちゃんにも頼まれてるし…。」
「…あたしは頼んでないっ!」
「どうしたんだよ?」
「あんたにあたしの気持ち分かるわけない。こんな傷あんたにはないでしょ!」
「……。」
何も答えられないコウを置いてあたしはまた走った。
コウはもう追いかけて来なかった…。
なぜかあたしはコウと同じクラス。
偶然?
クラスもおばあちゃんが?
まさかね…。
あたしはずっと下を向いていた。
家から学校までの間、コウがあんまりにも普通だったから
あたしは自分の傷の事、忘れてた。
傷なんかないんじゃないかってくらい
コウが普通だったから。
でも…
学校に着いてすぐに現実は襲ってきた
「おーす。コウ。」
「おう。」
「あーもしかして転校生?よろしく…
うわっ!?
「おいっ!」
「ご、ごめんっ。コウ、俺先行くわ。」
「待てよ…っ。」
追いかけようとしたコウの腕をつかんだ
振り向くコウにあたしは何も言えなかったけど。
…そしてコウも何も言わなかった。
教室まであたしは下を向いてた。
あたしの横をコウが黙って歩いた。
教室の前。
コウがまたいきなりあたしの顔をのぞいた。
何?のぞくのはクセ?
「なに。」
もう帰りたい。
教室に入ればまた皆があたしを見る。
そしてまたあたしは1人。
「大丈夫。俺がついてる。」
そう言ってあたしの手をつかんで教室の戸を開けた。
ちょっとっ。まだ心の準備が…
あたしのそんな気持ちを無視して
「おーす。おっはよー。」
コウは元気にアイサツした。
「コウ、おはよー。」
「おせーよ、コウ。」
コウが教室に来ただけで皆が笑顔になる
人気者なんだな。
あの外見にあの人懐こさなら当たり前か
ただそこにいるだけで皆を笑顔にさせてしまう。コウはそうゆう人だった。
「ナオ!こっち。」
コウの声に皆があたしを見る。
「みんな!コイツ北山ナオ。今日から仲間だからな。」
「すごい傷。」
どこからか聞こえた声にコウが怒鳴る
「今言ったヤツ誰だよ!」
静まりかえる教室。
コウの声だけが響く。
「誰だって言ってんだよ!」
誰も出て来ない。
何分たったのか
あたしにはすごく長く感じた。
ガラッ
教室の戸が開く音に目を向けると
40歳くらいだろうか。
男の人が立っていた。きっと担任の先生だろう。
「どうしたー?授業始まるぞ。」
男の人はあたしに目をやると一瞬驚いた顔をしたがすぐに優しい笑顔になった
「おー君が転校生か。コウが連れて来てくれたのか。」
「おー」
コウはまださっきの声の主に腹が立っているみたいだった。
「とりあえず、みんな着席だ。君はその窓側だ」
先生の声にみんなザワザワと席につく
「コウにまとわりつくなよキモイ」
「コウが嫌がってんの気づけよ」
あたしは動けなかった。
それが傷の事を言っているのかは分からなかったけど、
声に出して「キモイ」と言われたのは
あの事故以来初めてだったから…。
「ん?どうした?えーっと北山?」
担任の先生の問いかけにも何も答えられない。
みんながあたしのほうを見てる
でも足が、身体が動かない。
「ナオ?」
コウがあたしの肩に手を置いた。
その瞬間、あたしの目から涙がこぼれ落ちた。
「あたしにかまわないで!偽善者!」
あたしは思い切り走って教室を飛び出した。
「ナオッ!待てよ。」
男の子には勝てない。
あっという間に追いつかれて手をつかまれる。
「どうしたんだよ!ナオ。」
「ほっといてよ!」
「ほっとけるかよ!ばあちゃんにも頼まれてるし…。」
「…あたしは頼んでないっ!」
「どうしたんだよ?」
「あんたにあたしの気持ち分かるわけない。こんな傷あんたにはないでしょ!」
「……。」
何も答えられないコウを置いてあたしはまた走った。
コウはもう追いかけて来なかった…。
