「別れよう...........」
美琴は最後にそれだけ言うと、社長室を出て行った。
「な.....................んで........」
「ごめんなさい、あなたたちに酷な選択をさせて」
「謝るくらいならッ」
「今ね、2人にそれぞれ大きな仕事のオファーやオーディションが入ってるの。」
「いきなり.....なんの仕事なんすか」
「モデルの枠を大幅に広げるチャンス............、あなたは海外の有名ブランド『ウィザード』からオーディション資格が与えられたのよ!」
「ウィザード?あの、アメリカのモデル雑誌?」
「ええ、そうよ。
今回、日本進出ということで日本人モデルを探してるの。そこであなたが........」
「オーディション資格なんて、大方与えられるんじゃないんですか」
「違うのっ、ウィザードのオーディション資格なんてそうそう取れるもんじゃないのよ、だってあちらのデザイナーが気に入ったモデルにしか与えられないんだから。」
崇彦はそれを聞いて、そうなのか、とつぶやいた。

