「社長は............俺らを別れさせてまで、モデルが売りたいんですか。」
「別れた方がいいって言ってるだけよ、それはモデルが売りたいからとかじゃないわ。
あなたたちのこれからの為にもなるはず。」
「俺らの為って、あんた何をッ」
崇彦が社長に掴みかかろうとした時、崇彦の腕をつかんでいたのは美琴だった。
「別れよう............崇彦」
美琴は俯きながらそう言う。
「美琴、今................なんて」
「別れよう?」
美琴は顔を上げた。
崇彦はその顔を見て驚く。
大きな瞳は涙で濡れているのに、意思を持ってこちらを見ている。
美琴の身体全体がふるふると細かく揺れている。
「崇彦は、人気者なんだから......彼女なんていたら人気落ちちゃうよ」
「人気が落ちたって、俺は美琴と........」

