ずっと前から好きだった。











崇彦は美琴に電話をかけた。


話したいことがあるから、という理由で。








-----すぐに来るつもりだったのに。

崇彦は誰もいない公園を見渡した。










崇彦はここに来る前、高校の校門でかたまっていた女子たちの一人に声をかけられた。





「今日一緒にどっかいこ〜」と。


崇彦は、今日は予定があるから、と通り過ぎようとしたが、他の女子にも口々に誘われてしまった。







それでもなお、断ろうとした崇彦に、女子たちが歩み寄った。









「この写真、学校にばら撒かれてもいいの?」





女子が見せたのは一見、崇彦とその女子がキスしているような写真。

だが、唇は合わせていない........つまり、本当はキスをしていないのだ。




さらに、これは崇彦が女子に一方的にキスをされそうになって寸前で避けた写真だった。












「ばら撒いたって、キスなんてしてねぇじゃねーか。」


「でも、この写真を見た人はほとんど、私と三村がキスしてるって勘違いするわ。」






その女子は、不敵に笑った。










崇彦はそのせいで、遊びに行くという誘いは断ったが、公園に行く道中つきまとわれることになってしまった。