家に帰ってきた父親に、母親が美琴の妊娠を伝えたらしい。
「美琴、赤ちゃんできたんだって?」
部屋に一人でいた美琴の部屋に父親がやってきた。
「........うん」
「やったなぁ、これで父さんもおじいちゃんだな」
「喜んでくれるの?」
「もちろん、でも母さんが言ったように、一人で育てていくのは大変だと思うぞ。
美琴はまだ高校生なんだからな。」
「それはわかってる、わかってるよ。」
「だから、赤ちゃんのことは父さんと母さんに任せなさい。ちゃんと時期が来たら、美琴に任せるから。」
「........わかった」
「美琴はいつから留学に行くつもりだ?」
「.....どれくらいがいいと思う?」
「1学期が終わったら、くらいか。」
「私もそれがいいと思うんだ、お父さんはそれでも許してくれる?」
「もちろん。
じゃあ、父さんも一緒に行こうかな。」
「............え?」
「実は、父さんにアメリカへの海外出張の話があってな。
行くとしたら、美琴と一緒に行くことになりそうなんだ。」
「宙人とか........お母さんとか........一緒に行くのかな?」
「宙人が行きたいって言えば、母さんも行くだろうし、宙人が日本にいるって言えば母さんは日本にいるだろう。」

