「おめでとうございます、妊娠3ヶ月ですね。」
病院の産婦人科を受診した美琴に、医師がそう言った。
母親はそんな美琴の後ろで、嬉しいのか悲しいのかわからない表情をしていた。
病院からの帰りの車で、美琴は母親に謝った。
「............ごめんなさい、お母さん、私........」
「大丈夫よ、美琴。
美琴にお母さんの話をしてあげるわ。
あなたが私に似ていると言ったわけを。」
「........うん」
「私もね、あなたと同じ歳くらいに妊娠したの。」
「......え?そうなの?」
「ええ。
私はその頃、お父さんと付き合ってたの。
妊娠したのは嬉しかった。好きな人との子供が私の中にいるって思うと本当に嬉しかったわ。」
「うん........それで?」
「私は意地でもお腹の子供を生みたかったわ。でも、親たちからは絶対にダメだって大反対をされてね........。」

