わ、す、れ、ら、れ、な、い、

「てかさ水澤先生って誰?」


遠藤くんが不意に聞いてきた


私は焦ったけど冷静を装う


「知らない 誰それ」


私は笑いながら答える


何で水澤先生を知ってるの?


まぁいいや


けど遠藤くんは真剣な表情をしている


「そう… ほら家ついた」


遠藤くんが立ち止まった


「今日はありがとう 送ってもらってごめんね」


「大丈夫だよ じゃあまたな!」


遠藤くんは私が家に入るまで待っていてくれた


優しな遠藤くんは…


大人の階段を上った私


これで全て忘れる


もう私の心の中に先生はいない