わ、す、れ、ら、れ、な、い、

私は椅子に座り込んだ


久しぶりに見る先生


でも全く変わってない


変わったのは私が先生に対する想いだ


何しに来たんだろう


もうなにかも終わったのに


告白した時点で私の恋は終わっていた



「美里ちゃん 大丈夫?」


亜紀さんが声をかけてくれた


私は亜紀さんのほう向き微笑んだ


「全然大丈夫です」


たぶん作り笑顔


上手く笑えない


「店長がもう終わって大丈夫だって あと、あの男の人…」


亜紀さんが続けようとしたとき


「あ、じゃあもう帰ります」


私は急いで着替えると


「さようなら!」


そう言い店を出た


「はぁ…」


私は店の外にあるベンチに座った


「帰ったと思いました?」


頭上から聞き覚えのある声に私は顔をあげる


「せ、先生…」


先生はニコッと笑うと私の隣に座った


「急に来ちゃってすいません… そらビックリするよね」


先生は小さい声で言った


「私もごめんなさい いきなり逃げて…」


「いや、あの… 手紙の返事なんだけど…」


「手紙? あっ、もういいよ 絶対返事書くって言ったくせに書かないし」


私は笑いながら先生を見た


「だって… あのときは…」


「また言い訳? 先生はいつも言い訳ばっかり 変わってないね」


私たちは笑い合った


先生と話してると自然と笑顔になれる


たとえ辛いことがあっても先生は笑顔に変えてくれる


「本当にごめんなさい」


「もういいって」


「あ、怒ってます?」


「怒ってないわ!」


いつも私たちはこんなくだらない会話してたっけ


全ての記憶がよみがえってきそうで


急に寂しくなる…