わ、す、れ、ら、れ、な、い、

「話ってなんですか?」


僕と岡崎さんは教官室で向かいあいながら座っていた


「えっと 美里ね 働いてるの 駅前の喫茶店で 土日だけだけど」


「えっ そうだったんですか」


相沢さんバイトしてるんだ


「それでね会ってみたら? 美里に」


「会うって…」


相沢さんが今どうやって過ごしているのかは気になるけど



「色々解決してないでしょ 今度は先生から行かないと」


「僕から?」


岡崎さんは真剣な目で僕を見た


「うん 卒業式の次の日水澤先生のことについて話してたの 美里は前に進むって言ってたけど そのときの顔がスゴく悲しげだったの」


前に進む…


相沢さんはそう決めていたんだ


岡崎さんは続けた


「告白も手紙の返事も中途半端なままでいいの? 先生が美里のこと好きじゃなくても美里がかわいそうでしょ 生徒から好きって言ってくれたの初めてでしょ?」


そう…


初めて生徒から好きって言われた


なのに僕は中途半端にしたままだ


「ありがとう 僕行ってきます!」


逃げてはいけない


相沢さんは僕にとって大切な教え子だから