幼なじみとの恋愛はアリですか?

半ば放心状態の私に無神経に声をかけてくる


「春ちゃんと一緒の学校に行きたかったから頑張って勉強したんだ!」


まるで、飼い主に誉めてほしい犬のようだ



「そう、それじゃ」


秋が後ろから呼ぶ声が聞こえたが無視してクラスに向かう



不幸中の幸いか秋とは別のクラスだった
さっそく自己紹介が始まる


この日のために必死で考えた

前に出て皆の視線が集まった瞬間、頭が真っ白になった


「春風 菜々花です。よろしくお願いします。」


自分の声は自分でも引くほど怖かった

教室が静まりかえる


「あの…戻っても良い?」


せめてもと笑ってみるが

皆の反応からして逆効果だったのだろう


席に戻って泣きそうになる

なぜ、こうも上手くいかない…

気付くと自己紹介も最後の一人になっていた

「冬神 智也です。よろしくお願いします。」


黒髪で落ち着きのある好青年という感じだ


その後、放課後となったが
誰からも話しかけてもらえなかった…

さっさと、寮に帰って休もう

今日だけで、ひどく疲れた