ドアノブに手をかけた時、少しだけ、リビングの中が見えた。
茶色のテーブルの上に、紙切れがポツンと置かれてあった。
迷いもなく、私はリビングに入り、その紙を手に取った。

『おかえり。今日も遅くなりそうだから、ご飯温めて食べてね』

神が置かれてあった場所の隣には、私の大好物のカレーが入った鍋。
思わぬ優しさに、泣きそうになってしまった。