ふぅ、と一息つき、スマホをバッグにしまいながら再度歩き出す私。
翔豊第一高校は私の自宅と、そう離れていないので、結果を確認しに来るのにも苦労はしなかった。
駅を一つ跨げばあっと言う間だ。

電車から降り、自宅方面へと歩き出す。
なんだかんだ言って、今日も一日良い日だった。
などと今日の反省をしているが、時刻は真っ昼間。太陽の光がさんさんと降り注いでいる。
もうすぐ春だとはいえ、まだ少し肌寒い。
二の腕をさすりながら横断歩道を駆けた。
横断歩道を渡りきった時点で、バッグにしまったスマホから、メールの着信音が聞こえた。
送ってきた主はあらかた予想できているが、それでもなぜかわくわくしてしまう。
ついに頭が小学生になっちゃったかな、と自虐して、メールの受信箱を開いた。

『おめでとう』

たったそれだけの言葉。
なぜか堪らなく嬉しく感じた。
「会いたいなぁ、卓…」
意味もなく視点を上にあげ、真っ青な空を見上げた。
手を伸ばせば、君に届くような気がする。
昔、よく遊んでたな。
暗くなるまで、夢中になって遊んでた。
それでよく一緒に親に怒られたっけ 。
なーんて、過去に浸ってる場合じゃないか。
「春休み開けたら、高校生だもんねッ」
自分で自分の頬をパシッと叩き、渇を入れた。
特に意味は無いが、そこから家まで猛ダッシュして帰った。