翔豊第一高校。
それは、私の近所では割りと有名な高校の名前であった。



「うそ…受かってる……?」
自分の受験番号が書かれた紙を片手に、涙ぐむ私、幸桜。
翔豊第一高校は中々の名門校である。
中学時代、遊んでばかりいた私は、中学三年の一学期、自分の通知表をみて正気に戻った。
今、思い出しても吐き気がするような結果であった。
私は自らを鞭打って、猛勉強した。
その結果が、これだ。
単純明快、受かった。
周りでは、受かった、落ちた。と他にも色々な声が飛び交っている。
数分間、呆然としていた私だったが、ふと我に返り、足早にその場を去った。
人混みが少ない場所にたどり着き、うすいピンク色のスマホを鞄から取り出した。
汗ばんだ手で、スマホに文字を打ち込んでいく。


『受かってた。色々ありがとね。卓。』