そしてLINEを開いたまま、彼からの返事を待つ。

ずっと電源を入れてなかったから、その間、メールが何通も届いていた。

それらすべてを後回しにして、じっと画面を見つめていた。

しばらく待ってみたけれど、そのメッセージが既読になることはなかった。


怜央は気づいてないのだろう。

もしかしたらバイトの最中なのかな?

だとしたら終わるのは何時ごろ?

それから気づいて、ここまでくるのにどれぐらい時間がかかるんだろう……。


今日はもう会えないかもしれない。そう思ったその時。


――ピンポーン


玄関のチャイムが鳴った。


あたしはヨロヨロと、ドアに近づく。

のぞき窓から外を確認して、「えっ」と思わず声をあげた。


慌ててチェーンはずし、鍵を回す。


勢いよく開けたドアの向こうに立っていたのは、怜央だった――。