そんなこともあって、大学生になればひとり暮らしをしようって決めたんだ。

遠いとはいえ、家から通える距離なのに、親には無理を言ってそうさせてもらった。


太一とふたりっきりで過ごす場所が欲しかったの。そしたら、不安な気持ちもなくなるような気がして……。


あたしは強くスマホを握りしめる。


試してみようか。


『さっき怜央に告られた…』


そう伝えたら、太一はどうするだろう?

少しは不安に思ったり、やきもちを妬いてくれたりするかな?

文字を途中まで打って、結局削除。

やめよう。こんな駆け引きみたいなこと。


あたしは別の文を考えて、送信する。


【そっか。残念(ノ_・。)。じゃ、土曜は?】



疑問文で送ったのに。

その後、太一から返事がくることはなかった。