あの夏のキミへ

あれは…誰…?

考える間もなく相手はどんどんわたしに近づいてくる。

そしてようやくその人物を認識したとたん、頭の中は真っ白になった。

目の中に映っている三人の人物はわたしに不敵な笑みを浮かべている。

「…ふふっ、久しぶりに遊んじゃう?」

「そうねー、最近ストレス溜まってたし!」

「ここで会ったのもなにかの縁だろうしねー!!」

そう言うと三人は、ますます嬉しそうににたーっと笑った。

その笑みはわたしの背筋をゾクッとさせ、こめかみからは冷や汗なるものが、ゆっくりと流れていった。

……田中さん、森田さん、松井さん。

夏休みに入る直前までわたしをいじめていた女子三人組だ。

わたしはバカだ。

三人ともわたしと同じ団地内に住んでる。

なのにわたしはそのことを知っていながら、のんきにのこのこと団地を歩き回っていたなんて…今考えると恐ろしい。

しかし会ってしまったのは事実だ。

この三人に出くわせばもう逃げられない。