あの夏のキミへ

わたしは靴を履いて玄関を出た。

階段を降りるとすぐに公園が見えてくる。

夏らしい真っ青な空の下、15人ほどの子どもたちがボール遊びをしていた。

あまりにも楽しそうに遊ぶので、あぁ、この子たちはなんの悩みもなく毎日楽しく過ごしているのだろうなー…なんて、羨ましく思った。

わたしは端っこにある、ペンキが剥がれかけたベンチに座る。

長い間ほったらかしにされているようで、草木がわさわさと生い茂っている。

今日は、海に行ったときほどではないが、微かに風が吹いていた。

風が吹くたびに、気持ちよさそうにさわさわと音を立てて揺れる。

生い茂る草の間には小さな黄色い花が咲いていて、その周りをチョウがヒラヒラと舞う。

頭上から、ゴーッという音がしたので空を見上げると、白くて細い線を引いて飛行機が飛んでいた。

その様は、わたしをなんともいえない穏やかな気分にさせてくれ、わたしは知らず知らずのうちに、目を閉じた……。