キーンコーンカーンコーン

あぁ…ついに鳴ってしまった
終わりを告げる鐘が……

「よっしゃ‼︎」
勢いよく立ち上がる秋瀬に酷く怯える私
「行くぞ!」
秋瀬は私の手をとり教室を出ていく


案の定、廊下を歩いていたら注目されまくり
「秋瀬くんと望月さんって付き合ってたのかな⁈」
「えー!そんなぁ…秋瀬くん狙ってたのにぃ…」
「でも、いいんじゃん?あんな奴を彼女にするとか趣味悪いんじゃん⁇」
ヒソヒソ話をしているようですけど、全部丸聞こえですよー‼︎‼︎
私は立ち止まる
秋瀬は私の手を引っ張っていたからすぐに気づいた
「?どーした…」
私は秋瀬の手を振り切って逃げる
「おい!待てよ‼︎」
つかさず秋瀬も追いかける
ふふん 甘くみちゃ困るね…これでも私は中学の頃、リレーの選手だったんだから!逃げ足だけは誰にも負けないんだから‼︎
秋瀬は走りながら叫ぶ
「逃げるなんて卑怯だぞ!」
…卑怯?違う…私はあんたのために逃げているのに…あんたが私のせいで他人に馬鹿にされているから逃げただけ!卑怯なんかじゃない‼︎

途中で誰かにぶつかって私は尻もちをついた
「おい!大丈夫か⁉︎」
追いついた秋瀬が私に言う
…ここでゲームオーバーか
「なぁ、なんでお前は逃げたの?」
「………」
「…俺は、別に一緒にいるの嫌じゃないからな!」
……え?
「誰がなんと言おうと、俺はお前と一緒がいい‼︎」
……嘘でしょ…?
「…って何言ってんだ?俺……」
秋瀬が珍しく赤面になってる…ってことは私も秋瀬と同じ顔になってんのかな……
「ほら、行こうぜ 遅れる」
私はゆっくりと頷いた