「でな、俺、お前のことを色々調べた結果、名前わかったんだぜ‼︎『望月唯香』という名前をな‼︎」
はいはいわかったわかったうざいうざい

あの日以来 秋瀬は色々と話しかけてくるようになった
…全部無視ってるけど
それでも秋瀬はめげずにクラスメイトから情報を集めている
幸い、秋瀬はもう友達出来てるしね
それもほぼ全員


「あと、お前の出身中学校も聞いたぜ 結構遠いよな〜」
「⁉︎」
何処でそんな情報を⁉︎誰にも言ったことないのに…!
私は机の中から本を取り出して自分の世界に入ることにした
それでも奴は入り込もうとする
「なぁなぁ、お前ホントその本好きだよな〜」
侵入者がいう『その本』とは私が愛読している『命のリボン』という本である
結構人気で、シリーズもたくさん出ている
そして、来月には映画も始まる!
ほうほう、こいつは…この本の良さに気づいたのか…
「んじゃあ、コレいるか?」
「?」
秋瀬が出したコレとは…
『命のリボン』の試写会のチケットだった‼︎‼︎
思わず手を伸ばすが…
「おっと、コレはそう簡単に渡せないぜ!」
私の手を遮るように秋瀬はそう言った
「コレはペアチケットだし、お前にあげたら絶対1人で行くだろ?そんなの、もったいねーから俺と今日の放課後行こうぜ」
……え?
「それに、今日は早帰りだしな よし!決まり‼︎」
えっえっえっ…それって……まさか‼︎

放課後デートってこと⁉︎