妄想恋愛



「で、またスルーされたんですか?」


「お恥ずかしながら……」


「泣かないで泣かないで〜」




私は、毎日のように氷河君に告白し、毎日のようにスルーされている。



ある日は直球に。

『好きです氷河君、付き合ってください』


『何かの罰ゲーム?びっくりした』



ある日はロマンチックに。

『…月が綺麗だね、氷河君』


『そこまででもなくない?』



ある日は手紙で。

『手紙、読んでくれた…?』


『ああ、あれ間違えてたっぽいから川間に渡しといたよ』


『…雛乃、泣くなよ』


『隼人…もう、私無理、無理、私もう』



只今の戦歴は68戦68スルー。
ここまでくると皆何も言わない。

いや、言わないじゃなくて言えないのだ。

…私が不憫すぎて。



しかも氷河君は超のつく程の草食系男子。