今すぐ抱き締めたくなる衝動に駆られるのだが、人目や隼人の鉄壁のガードを考えると、抱き締めるのは無理だな、うん。

二度隼人と私が口喧嘩を始めると、氷河君は教室に置いてある国語辞書を使い純潔の意味を調べ始めた。


私は即座にそれを取り上げ、氷河君の手に届かない高い場所に置く。


「何すんの!」


「氷河君……大人になってから読みなさい?」


「内咲…それ普通の辞書だよ…」


「お前にはまだ早い」


「川間まで…」



小鹿みたいな大きい眼を潤ませて隼人を見る氷河君は本当に可愛い。


「結論、氷河君は天使。これテストにでるよ隼人」

「でねえよ」


「ってか俺可愛くないからね!!可愛いってのは女子に言うことだからね!!」


「そういうところが可愛いんだってば…」