「じゃあ今日はここまで!皆解散!…じゃなくて…飲みに行く準備して〜!」

「はーい!」

「今日もたくさん飲むぞ〜!」

「あんま飲みすぎるなよ。」

「分かってるって。」

皆そんなに飲みたいのかな…?


ん?ク代理…こっち見てる。

「(目線で)行きましょう。」

私はうなずく。
皆には秘密にしてるっぽい。
サプライズ?にしたいのかな。


「なんかごめんね。買い物に付き合わせちゃって。」

「いえ。花は好きなので。」

「花好きなんだ。実は僕も好きなんです。」

「そうなんですか?」

「うん。花って綺麗だよね。何の花が好き?」

「うーん…カーネーションとか…ですかね?」

「カーネーション可愛いですよね。」

「ええ。」

「カーネーションの花言葉、知ってる?」

「いえ、知りません。」

「女性の愛。純粋な愛情。いろいろあるんだ。」

「へぇ…そうなんですか。」

「何色のカーネーションが好き?」

「ピンクです。」

「ピンク⁈ちなみに、ピンクのカーネーションの花言葉は…熱愛。」

「ね、熱愛?」

「うん。」

「…」

「愛が多いね。」

「そ、そうですね。」

純粋な愛情…確かに、
純粋に愛してた。あの人のこと。
愛してた…ただそれだけなのに。

「どうかしましたか?」

「…えっ?」

「ボーッとして。」

「あ、すみません。なんでもないです。」

「そう?あ、着いたよ。」

「あ、本当。」

「じゃあピンクのカーネーションを10本」

「またですか?」

「紗藍さんが好きな花だから。」

「…え?」

「せっかくなら、好きな花の方がいいでしょ?まぁ、花言葉は無視して。」

「はい。」

なんか嬉しい。
ク代理は優しくないって評判なのにな…

「じゃあ、会社に戻ってから行きましょうか。」

「そうですね。でも、一緒に行ったら変じゃないですか?」

「大丈夫。」

「…」