「ん…眠い…」

今日も頑張らないと…

「ん…紗藍起きたの?」

「あぁ…起こしちゃった?」

「ううん。今日は学校お休みだから、買い物でも行こうと思ってたの。」

「そっか。」



「ごちそうさまでした。」

「うん。じゃあ行ってくるね。」

「はーい。ファイティン♡」

「ありがと。」

んー。今日は天気いいなぁ。
お花…
あの店に行けば、また会えるかな?
昨日の今日だし…会えるわけないか。

と思いつつも、昨日のお花屋さんに向かっていた。
やっぱり昨日の男の人はいなくて。
時間も違うし…
まぁいっか。


「紗藍さん。おはよう。」

「あぁ、姉さん。おはよう。」

「ちょっと。ここでは課長なんだけど?まぁ、私達の間柄もみんな知ってるけど。」

「ごめんごめん。」

「昨日はどうだった?」

「すごい喜んでた。」

「そっか。あぁ、そうそう。今日から新しい代理が来るから。心の準備をお願いね。」

「心の準備?」

「とってもハンサムな人だから。」

「そうなの?」

「うん。すごくね。」

「へぇ…楽しみですね。」

「今日も頑張って。」

「はい。」

ハンサムな人?
誰だろう。
まぁ本当にハンサムか分からないし。
期待しないでいよう。


「皆さん。今日からの新しい代理を紹介します。ク・ジヌン代理よ。」

「始めまして。ク・ジヌンです。韓国人です。だけど、生まれてからほとんど日本で過ごしてました。まだ未熟ですが、どうぞよろしくお願いします。」

そこにいたのは、昨日は花屋で会ったあの男の人だった。
忘れもしない、あの整った顔立ち、スラっとしたスタイル。
韓国人?日本にいたのね。
全然わかんなかった。
韓国人なんて。最高だ!

「では、仕事を続けて。」

「…はい。」

顔がどんどん緩んでいくのがわかった。
本当に嬉しくて。
あれ以来初めて…
”好き”という気持ちが目覚めた日だった。