私の心を彩る君




それでもお母さんは優しかった。


ゆっくり思い出してくれればいいから、と。


でもどこかよそよそしいお母さんになかなか甘えることも頼ることも出来なかった。


記憶がなくなる前は学校も家での生活も楽しかったという感覚は残ってた。



だから余計に寂しくなったし怖かった。



それでも努力はしたんだ。


仲良くなろうと思って女の子たちに話しかけたり、お母さんともコミュニケーションを取ろうと積極的になった。


頑張って勉強して頭良くなればお母さんがもっと褒めてくれるかもしれないと思って勉強もした。


でもやっぱり周りの人達が私の事を腫れ物のように扱うことは変わらなかった。





それなら記憶を思い出せばいいと毎晩自分の部屋で思い出そうともした。


でもそうすると頭が急激に痛みだし、思い出すことも出来なかった。