_ハァ
少し短めのため息をつく。
気付くと授業は終わっており、皆が一斉に帰り支度を始めていた。
平凡すぎる日常に退屈を感じていた頃、一斉に咲いた桜が散るかのように消えていく何かがあった。
それは友情か、それとも愛情か、それとももっと大切ななにかか。
なにはともあれ、何かが消えた。

_____遡ること一週間前
私はこの学校に入学した。
中学の時の友達に、一緒に入ろうと誘われた高校だった。
正直乗り気ではないとてつもない馬鹿高だった。
だが、私が入りたいと願った高校は誰一人希望しなかった。
友達がいないほどつまらない高校ライフはない。
という、今思えばつまらない理由で志望校をここに落としたのだ。
先生にはもっと上の学校を目指せると散々説得されたが、私はやめなかった。
友達が何よりも大切だったから。
しかし神はそんな私を嘲笑うかのような出来事を起こした。

_____合格発表日
友達とワクワクしながら高校に行った。
新しい高校ってどんなのだろう。
女子高生ってどんな気分だろう。
合格なんて、して当たり前だった。
面接も完璧、模擬試験も多分大丈夫だろう。
「お互いに合格しようね!!」
「もち!!あ、じゃあさみんなでお互いの番号のところを探しに行って番号見つけたら連絡しよう。」
二人が話していた。
勿論いいよ、と返し私は一人目の友達の番号、124を探しに向かった。
「124…124…124…124…」
忘れないように呟きながら私は探した。
危うく紙を落としそうな衝撃に襲われた。
急いで携帯を取り出し、電話をかける。
_プルルルルルル プルルルルルル プルルルルルル
お願い、早く出て…!!
_(ガチャ もしもし?!どだった?!
こんな結果伝えたくはない。
だが、伝える約束だから…
「受かってなかった…番号なかった…」
_(ガシャン
何かが落ちた気がした。
おそらく、彼女が携帯を落としたのだろう。
恐る恐る、声をかけてみる。
「…大丈夫??私、今からそっち行くから…」
_無いの。
小さい声でそう呟くのが聞こえた。
「へ??何が無いの??」
_あの子…あの子の番号もない…
嘘だ。あの子が落ちるわけがない。
面接練習も、模擬試験勉強も誰よりも頑張ったあの子が。
私立高校行って親に迷惑かけたくないという優しくてがんばり屋のあの子が。
_____落ちた??
たっと駆け出した。
まずは一人目の友達のところへ。
息が苦しい。
友達のいない、知り合いのいない、馬鹿高の高校ライフ。
私は、なんてところに入学してしまったのだろうか…