それから、祖母の家に行くのが楽しみになっていた。

「あら、桜ちゃんおばぁちゃんのとこが好きになったみたいねぇー、前はあんなに嫌だったのにぃ」
とお母さんは嬉しそうに言う。

確かにあの時は祖母の家に行くのが嫌だった。全て和室で、飾り物とか可愛くない、面白さ全然いななぁー、とか思ってた。それも、要に出会う前だった。

楽しいと思ってたことは、要くんに会うことしか、なかった。