土曜の早朝。
誰もいないグランド。
陸上部の3年生は、6月で引退する事になっていた。
インターハイに出場する訳でもなく、ただ走りたくて稔はグランドに立っていた。
ウォーミングをしているところへ、伊坂が来た。
「おはよう」
「…っす」
柔軟をしながら、形だけの返事をした。
「岸中さんと付き合い始めたってマジ?」
伊坂の言葉に稔の動きが止まった。
「…あぁ」
ただそう言って、また柔軟を始めた。
「よかった」
「何で」
稔は立ち上がっていぶかしげに伊坂を見た。
「いや、笠倉は桜井さんの事が好きなんだろう、って疑問が晴れなかったんだ。でも岸中さんと付き合ってるんなら違うよな」
「…あぁ。じゃ、お先」
稔は疾走し始めた。
誰もいないグランド。
陸上部の3年生は、6月で引退する事になっていた。
インターハイに出場する訳でもなく、ただ走りたくて稔はグランドに立っていた。
ウォーミングをしているところへ、伊坂が来た。
「おはよう」
「…っす」
柔軟をしながら、形だけの返事をした。
「岸中さんと付き合い始めたってマジ?」
伊坂の言葉に稔の動きが止まった。
「…あぁ」
ただそう言って、また柔軟を始めた。
「よかった」
「何で」
稔は立ち上がっていぶかしげに伊坂を見た。
「いや、笠倉は桜井さんの事が好きなんだろう、って疑問が晴れなかったんだ。でも岸中さんと付き合ってるんなら違うよな」
「…あぁ。じゃ、お先」
稔は疾走し始めた。
