゛3番ホームに列車が参ります、お待ちのお客様は白線の後ろまでお下がり下さい…″
金曜日の晩、最小限の荷物と共に希望梨は駅のホームにいた。
特急で、明朝には祖父母の田舎に着く。
この一週間は訳が分からなかった。
あの瞬間。
稔が返事をする前に、希望梨が話していた。
「稔っ!こんな可愛い子に告られて家宝者っ!」
バシッと勢いよく稔の肩を叩いた。
「何だよ、痛てぇな…」
稔は肩をグルッと回して希望梨を見た。
希望梨の様子がいつもと違った。
「付き合いなよ!」
希望梨が一人盛り上がっていた。
そして
「いいよ」
稔が答えた。
あれから、涼子と稔が一緒に帰宅しているのを何回か見掛けた。
りおは、自分だけフリーじゃつまんない!とぼやいた。
希望梨も何回か伊坂と帰宅した。
でも初めて手をつないだ日の高揚感、ふわふわした感じを忘れてしまった。
゛まもなくドアが閉まります、お乗りのお客様はお急ぎ下さい…″
我に帰り、列車に飛び乗った。
自分の町から遠ざかるのが嬉しいなんて、今回が初めてだった。
金曜日の晩、最小限の荷物と共に希望梨は駅のホームにいた。
特急で、明朝には祖父母の田舎に着く。
この一週間は訳が分からなかった。
あの瞬間。
稔が返事をする前に、希望梨が話していた。
「稔っ!こんな可愛い子に告られて家宝者っ!」
バシッと勢いよく稔の肩を叩いた。
「何だよ、痛てぇな…」
稔は肩をグルッと回して希望梨を見た。
希望梨の様子がいつもと違った。
「付き合いなよ!」
希望梨が一人盛り上がっていた。
そして
「いいよ」
稔が答えた。
あれから、涼子と稔が一緒に帰宅しているのを何回か見掛けた。
りおは、自分だけフリーじゃつまんない!とぼやいた。
希望梨も何回か伊坂と帰宅した。
でも初めて手をつないだ日の高揚感、ふわふわした感じを忘れてしまった。
゛まもなくドアが閉まります、お乗りのお客様はお急ぎ下さい…″
我に帰り、列車に飛び乗った。
自分の町から遠ざかるのが嬉しいなんて、今回が初めてだった。
