先生がくせ毛をパーマと勘違いするからストレートパーマかけたんじゃないですか!と反論してみる。先生は一瞬黙り込むが屁理屈言うな、パーマはパーマだ!とまた叱られた。
ストレートパーマは学生にとって安い金額ではない。風紀の先生の視線を気にしながらもしばらくストレートな髪型を楽しんだ。そして今はまた毛先クルッの状態。身長は160cm足らず。四捨五入して160に何とかなる。切りよく160になりたいが、もう身長は伸びないだろう。目鼻立ちはハッキリしている方だ。美人かどうかは見た人に決めてもらうしかない。服装やお洒落に気を使うタイプではなく、今も着古したTシャツに同じく着古したジーンズ、そして店のロゴの入った赤いエプロン。足元はスニーカー。化粧などもまだ興味がなく(まだ17だから素顔で充分)うっすら日焼けした顔。運動が好きで、部活に所属はしていないがスラッとした体型を維持している。ただし、女の子としてボリュームが欲しいところもスラッとしている。
そんな彼女が今日は暇だなぁ…なんかPOPでも書こうかなと考えていた所へ、来客を伝えるベルが鳴った。
いらっしゃいませ…と言った途端に無意識に顔が歪んだ。客が、笠倉稔(かさくらみのる)だったからである。