「稔君、お疲れ様。ちょっと休んでいったら?」
子供会の役員のおばさんが、にこやかに聞いて来た。
子供の日の集まりなので、公会堂には小学生が沢山居て騒がしかった。
「じゃ、ちょっとだけ…」
公会堂の玄関先で座り、おばさんからジュースを受け取った。
「ジュース数合わなくなるんじゃないですか?」
ふと気になって聞いた。
「大丈夫よ。休みの子もいるから」
「そうなんですか…」
地域の集まりに参加しない子供が増えているのだろう。
プルタブを開けて、缶ジュースに口をつけた途端、「それ」は視界に入って来た。
またうまい具合に玄関の戸を開けていたもんだ。
くせっ毛を高い位置に結いあげ、軽くおだんご…シニョンていうんだっけ…にして、少し後れ毛がある。
わざとそういう髪型なのか。
なんか一杯ピンが刺さっている。
それになんだ、あのふわふわしたワンピースは。
慣れないヒールの高い靴を履いて、時々よろめきながら歩いて行く。
「…あら、あれ希望梨ちゃんじゃない?」
おばさんがそう言った時、稔はもう自転車にまたがっていて、すばやく辞去を告げた。
片手に缶ジュースを持ちながら器用に運転する。
子供会の役員のおばさんが、にこやかに聞いて来た。
子供の日の集まりなので、公会堂には小学生が沢山居て騒がしかった。
「じゃ、ちょっとだけ…」
公会堂の玄関先で座り、おばさんからジュースを受け取った。
「ジュース数合わなくなるんじゃないですか?」
ふと気になって聞いた。
「大丈夫よ。休みの子もいるから」
「そうなんですか…」
地域の集まりに参加しない子供が増えているのだろう。
プルタブを開けて、缶ジュースに口をつけた途端、「それ」は視界に入って来た。
またうまい具合に玄関の戸を開けていたもんだ。
くせっ毛を高い位置に結いあげ、軽くおだんご…シニョンていうんだっけ…にして、少し後れ毛がある。
わざとそういう髪型なのか。
なんか一杯ピンが刺さっている。
それになんだ、あのふわふわしたワンピースは。
慣れないヒールの高い靴を履いて、時々よろめきながら歩いて行く。
「…あら、あれ希望梨ちゃんじゃない?」
おばさんがそう言った時、稔はもう自転車にまたがっていて、すばやく辞去を告げた。
片手に缶ジュースを持ちながら器用に運転する。
