翌日。
「子供会にジュースニダース届けてね。ペットボトルだから軽いから」
稔の母は気楽に言う。
「……」
今日は子供の日なので、地域の公会堂で子供会のイベントがあるのである。
俺だってまだ子供だよ…と普段子供扱いされるのは嫌なのに、都合よくそう思った。
稔は手際よく自転車の荷台に段ボールをくくりつけて、自転車に乗ろうとした。
そこへ、またスーツ姿の男が現れた。
今日は、男の上司らしい初老の男もいた。
「こんにちは。これから配達かい?」
「…はぁ」
無愛想に相槌を打った。
ついキツい目つきで男を見てしまう。
「やだなぁ、取り立てに来たみたいじゃないか」
男は自分で言って苦笑する。
−ある意味そうじゃないのか。稔はふと思った。
そこへ、初老の男が割り込んで来た。
「急に来て済まないんだけどね、他の用事で近所に来たもんだから。ご両親はご在宅かな?」
初老の男は優しい眼差しだった。
名刺を差し出されたが、親に渡して下さいと言って拒んだ。
「母さん、コンビニのお偉いさんが来たよ!!」
稔が酒屋に顔を突っ込み大声で母を呼んだので大人達は面食らった。
母が曖昧な返事をした。
「じゃ、急ぐんで」
稔は自転車を力いっぱい漕ぎ出した。
「子供会にジュースニダース届けてね。ペットボトルだから軽いから」
稔の母は気楽に言う。
「……」
今日は子供の日なので、地域の公会堂で子供会のイベントがあるのである。
俺だってまだ子供だよ…と普段子供扱いされるのは嫌なのに、都合よくそう思った。
稔は手際よく自転車の荷台に段ボールをくくりつけて、自転車に乗ろうとした。
そこへ、またスーツ姿の男が現れた。
今日は、男の上司らしい初老の男もいた。
「こんにちは。これから配達かい?」
「…はぁ」
無愛想に相槌を打った。
ついキツい目つきで男を見てしまう。
「やだなぁ、取り立てに来たみたいじゃないか」
男は自分で言って苦笑する。
−ある意味そうじゃないのか。稔はふと思った。
そこへ、初老の男が割り込んで来た。
「急に来て済まないんだけどね、他の用事で近所に来たもんだから。ご両親はご在宅かな?」
初老の男は優しい眼差しだった。
名刺を差し出されたが、親に渡して下さいと言って拒んだ。
「母さん、コンビニのお偉いさんが来たよ!!」
稔が酒屋に顔を突っ込み大声で母を呼んだので大人達は面食らった。
母が曖昧な返事をした。
「じゃ、急ぐんで」
稔は自転車を力いっぱい漕ぎ出した。
