図書館の静けさが好きだ。
学校のもいいけど、市立の方。
蔵書量が圧倒的に違うし。
見上げて首が痛くなるほど高い本棚。
正式な名前は知らないけど、レールで動く長い梯子。
案外高いな、とびくつきながらも登って高所の本を手にする。
私より歴史のある本。
何人の人が読んだのかな。
今は本に図書館独自のバーコードがついて、パソコンで管理されている。
でも古い本だと、貸し出しカードがついたままだったりする。
何年何月何日に誰それが借りました、と記入された紙のカード。
今だったら個人保護法にひっかかるのかな。
小さい時はまだこんな紙のカードで貸し借りしてた気がするな。
よく分からなくて、お父さんに書いてもらったっけ。
引き出しに本のデータのカード(やはり紙)が入ってて、お父さんがパラパラめくって目当ての本を探してたっけ。
例えば「あ行」の本とか作者のを探したくても、違う人が使ってたら待たなきゃダメで不便だってお父さんよくぼやいてたな。
今なんて、パソコン(しかも自宅の)から蔵書を検索して予約まで出来ちゃうもんな。
借りて、返して…その時だけ図書館に行けばいい。
でも、この独特の空気を、静けさを、色んな時間が閉じ込められたような空間が好き。
ソファーに深く座って、映画雑誌の最新号をのんびり読む。
最新号は貸し出し出来ないもんなぁ…。
貸し出し出来てたら、皆読みたがるから図書館にはまず並ばないもんね。
…あぁ、この女優さん結婚してるんだ。
えっ、あの俳優ゲイなの?
この人…何かの映画で見たなぁ。主役級じゃないんだけど、主役の友達役とかでよく出るよね。
あ、このドレス綺麗。
ハリウッドのスターは何でこんなに細いの?
えっ、続編製作延期?
楽しみにしてたのに。
あぁ、これは観に行かなきゃ。映画館で観なきゃ。レディースデーに行くか、りおと涼子ちゃん誘って三人で高校生友情プライスにするか…。
いや、進学決めたんだから遊んでる場合じゃないか…。


…というか、伊坂君の事よく知らないのに何で私告白されてYesと言ったんだろう。


…静か。