「ばあちゃんのきんぴら、肉じゃが、炊き込みご飯。ネギ焼き。…で、ビールのあてにイカサキ」
不穏な空気漂う祖父母の前に、ミヨが買って来たおつまみを掲げた。
希望梨はテーブルを指差して、
「ばあちゃんがお母さんと一生懸命作ったんだよ。ゴタゴタして冷めちゃったけど、チンすれば大丈夫だから」
「チン…?」
創介はまたケイを見た。
「電子レンジの事よ。父さん達まだ買ってないのね」
ケイがクスッと笑った。
「お父さんが私の誕生日に買ってくれたオーブンがあるのよ!何年も経つのに今だ現役だよ。重宝してんだから。お父さんは目利きがいいからね」
ミヨの言葉に創介は照れた顔をした。
「さ、ご飯食べようよ。美沙ちゃん達もじきに来るし」
希望梨が椅子に座ってにっこり笑った。
祖父母は明るい孫娘を見て癒された。
「…誤解招くような事して悪かったな。でもわしにはお前しかおらんからな」
創介はボソッと言って箸を手にした。
「え…?」
ミヨはポカンとした。一瞬何を言われたのか理解出来なかった。
「もう言わんからな」
創介の頬が赤くなった。
「うわ、じいちゃんカッコイイ!」
「希望梨、年寄り冷やかすもんじゃないよ。おかず温めてくれ。…チン?」
創介に言われて、ハイハイと希望梨はせっせと料理を電子レンジで温めた。
しばらくして美沙梨と麻央梨も来て賑やかになった。
吾郎は結局、翌朝帰宅した。
創介とミヨは荷物をまとめて帰郷する所だった。
「お義父さん、お義母さん、もうお帰りなんですか?」
まだ頭痛がする。
「またゆっくり来るよ。君とも色々話さないといけないしな」
創介の眼差しに田吾郎は寒気がした。
「騒がせてごめんね、今度はうちに来て頂戴ね。ありがとね」
ミヨはすっかり笑顔を取り戻していた。
数日後。
遂に約束の土曜日。
希望梨は大型スーパーの中にあるシネコンの入口で待っていた。
チケットを見た。
赤毛のアン三部作…今日はこれで一日が潰れるなぁ。
もちろん嬉しいんだけど。
その時自分を呼ぶ声がして、チケットから顔を上げた。
不穏な空気漂う祖父母の前に、ミヨが買って来たおつまみを掲げた。
希望梨はテーブルを指差して、
「ばあちゃんがお母さんと一生懸命作ったんだよ。ゴタゴタして冷めちゃったけど、チンすれば大丈夫だから」
「チン…?」
創介はまたケイを見た。
「電子レンジの事よ。父さん達まだ買ってないのね」
ケイがクスッと笑った。
「お父さんが私の誕生日に買ってくれたオーブンがあるのよ!何年も経つのに今だ現役だよ。重宝してんだから。お父さんは目利きがいいからね」
ミヨの言葉に創介は照れた顔をした。
「さ、ご飯食べようよ。美沙ちゃん達もじきに来るし」
希望梨が椅子に座ってにっこり笑った。
祖父母は明るい孫娘を見て癒された。
「…誤解招くような事して悪かったな。でもわしにはお前しかおらんからな」
創介はボソッと言って箸を手にした。
「え…?」
ミヨはポカンとした。一瞬何を言われたのか理解出来なかった。
「もう言わんからな」
創介の頬が赤くなった。
「うわ、じいちゃんカッコイイ!」
「希望梨、年寄り冷やかすもんじゃないよ。おかず温めてくれ。…チン?」
創介に言われて、ハイハイと希望梨はせっせと料理を電子レンジで温めた。
しばらくして美沙梨と麻央梨も来て賑やかになった。
吾郎は結局、翌朝帰宅した。
創介とミヨは荷物をまとめて帰郷する所だった。
「お義父さん、お義母さん、もうお帰りなんですか?」
まだ頭痛がする。
「またゆっくり来るよ。君とも色々話さないといけないしな」
創介の眼差しに田吾郎は寒気がした。
「騒がせてごめんね、今度はうちに来て頂戴ね。ありがとね」
ミヨはすっかり笑顔を取り戻していた。
数日後。
遂に約束の土曜日。
希望梨は大型スーパーの中にあるシネコンの入口で待っていた。
チケットを見た。
赤毛のアン三部作…今日はこれで一日が潰れるなぁ。
もちろん嬉しいんだけど。
その時自分を呼ぶ声がして、チケットから顔を上げた。
