そんな状況を変えたのは、雅恵の入社。私は雅恵の指導員を任されることに。
かつて斎木さんに教えられたことを思い出しながら、丁寧に教えることに努めた。



自分の仕事と教育を抱えて急に忙しくなったけれど、日々の充実感は大きい。それに後輩ができたことが嬉しくて、いっそう真剣に仕事に取り組むようになった。



おかげで責任のある仕事を任されるようにもなり、仕事にやり甲斐と楽しみを持てるようになり。



いつしか斎木さんへの思いは、心の奥へと沈んだまま。



今は仕事優先。好きな気持ちは変わらないけど、時々思い出したように、揺らぐ程度に変わっていく。



やがて、雅恵と私は似ているかも?
と気付き始めた。


確信した頃には、すっかり仲良くなっていて。プライベートでも食事や買物に出掛けたりするように。



雅恵は、私にとって妹みたいな存在。
小心者なところは私に似てるけど、雅恵は泣き虫。そこだけは、私に似ていない。