今日は雅恵の歓送会兼二人の結婚祝賀会。職場の同じ課のメンバー二十人で、海鮮料理を味わうことのできる懐石料亭にやってきた。



雅恵は時おり左手の薬指に輝くリングを撫でながら、斎木さんを見上げて微笑んでいる。心から幸せそうな、眩しいほどの笑顔。



雅恵は本当に綺麗になってる。
一ヶ月後に結婚を控えているから当然だろう。



羨ましくて堪らない。
綺麗になっていくことも結婚も。
斎木さんの隣に居られることも。



斎木さんのことを先に好きになったのは私。雅恵が入社する前から、私は斎木さんのことが好きだったのに。



恨みなどはないけれど、思い出すと悲しくなってくる。