メールをやりとりするうちに
巧矢の事が好きになっていた。
あれ程、もう恋なんてしないと
決めていたのに。
だけどメールでも伝わってしまうのか
ある日、巧矢から困った返事が来た。
"俺のこと好き?"
ドキ、、、
ここで " うん "と返すか
" いいや "と返すか、戸惑った。
うん。って言えば巧矢は
あたしのことどう思うんだろう。。
好きじゃない。と言ったら
巧矢への気持ちが嘘になる。
あたしは恐る恐る文字を打って
送信ボタンを押した。
(どうしよぅ、、、送っちゃった、、)
" 好きだよ "
送信画面にはその一言。
顔がどんどん熱くなって、自分でも
赤くなってるのがわかった。
返事を返して2時間が経った。
巧矢からの返信がない。
あたしは少し不安になった。
(どうしよう、、もしかして
迷惑だったんじゃ、、、、
、、、、、、嫌われちゃったかな)
鳴らない携帯を見つめながら
ベッドに横になる
♪♬~♪♬♪♬~♪♬〜
部屋に響きわたる受信音。
「きたっ!」
ガバッと飛び起きて画面を見ると
" ごめん、旬と遊んでた!
そっか。俺と同じだね(^^) "
「え、、?」
どきんっ。
あたしは少し首をかしげて
しばらくしてから咄嗟に
近くにあった枕に抱きついた。
「きゃーーーっ//////」
(それってそれって、、、
まさか、、、!?)
"どういうこと?"
わざと意地悪い返事をする。
すぐに返事がきて
"俺も葵が好きだよ"
涙が溢れそうになって
忘れかけてた幸せが蘇った。
もう恋なんてしない。
そう決めていたけど
" 俺と付き合って下さい"
嬉しかった。
"そういう大事なことは
直接ゆってくださいw"
巧矢から明日の遊びに誘われ
あたしは眠れずにうずうずしてた。
ー次の日ー
天気は見事に晴れていて
青空に吸い込まれそうなくらい
眩しくて、青々としている。
メイクも服装もバッチリ
時間をかけて完成させた。
ドキドキが止まらないまま
家を出て、外の空気を
思いっきり吸い込んで
ふぅー。と吐き出した。
「よし。いってきまーす!」
家を後にして巧矢の家へ向かった。
前に友達と一緒に2回ほど行った
ことがあったけど
こうして改めて一人で向かうとなると
迷いそうになった。
自宅から巧矢の家へは
大きな道に抜けてしまえば
真っ直ぐ歩くだけだから
前の記憶をたどりながら
ゆっくり歩いて行った。
15分ほど歩くと、巧矢の
家が見えた。大きなアパートの
一階の105号室。
携帯を取り出して
"着いたよ" と送った。
しばらくして ガチャッ。と
鍵が開く音がして、ドアが開いた。
そこには巧矢が立っていて
出迎えてくれた。
「、、あっ。ありがとう。」
どきどきしながら玄関に入る。
(あれ、靴がたくさん。)
「誰か来てるの?」
「ぁあ、隆弘(たかひろ)と
久美(くみ)。俺の部屋で遊んでる。」
へぇー。とうなずいて
靴を脱いで上がろうとした瞬間ー
(!?)
不意に唇がかさなった。
一体何が起こったのかわからず
目を開けたままただ呆然と立ち尽くす。
すぐに唇は離れて
巧矢はニヤッと笑う。
「、、お、、お邪魔します!」
恥ずかしくて何もなかったかの
ようにすぐさま部屋へ急いだ。
部屋を開けると久美と隆弘が。
「あー!葵!久しぶりー♡」
「久しぶりー」
二人とも、部屋でくつろいでいた。
