外に出ると、いつもなら見かけるはずの通学中の人たちが1人も見当たらない。

そのせいか急いで学校に行っても、のんびり行っても、結局は遅刻になる気がしてきた。

……ゆっくり行こっかな。

勢いよく家を飛び出したものの、のんびり歩いて行くことにした。

「…うわっ!!」

庭の入り口にあるコンクリートの壁を曲がった瞬間、人が居てビックリした。

「よ!遅刻さん」

「しょ、翔太!待っててくれたの?」

そこに居たのは彼氏の八木翔太。