この話も
長く続けたくはないのか、
いらいらと命令口調で、

「いいから渡しとけって。」

と、
押し付けようとする。


ネクタイを間に
しばらく
押しつけ合いをしていた
二人だったが、
明るい髪の彼が
一旦押し戻した。


彼は席を立ち、
椅子を後ろ向きにまたいで
教卓からは
真後ろを向く様に座ると、
目前の背もたれに
もたれ掛かった。


そして、
嫌々ながらも
諦めたように、
どちらかというと
力関係が
上らしい彼の顔を
覗き込むようにして言った。