もう一度、逢えたら…

中学２年の春になり、
私は初めて速水君と同じクラスになった。

始業式の日の朝、
彼を教室で最初に見かけた瞬間、
ふと思いだした。


（あ、この人が、
真崎さんの好きな人なんだ。

近くで見るの初めてだけど
結構格好いいかも♪

一体どんな人なんだろう？）


すると、
一瞬目のあった彼が
私に向かって両手を振りながら
話しかけてきた。


「遠藤さん、
同じクラスになるの初めてだよね？

これから宜しくね！」


私は、
突然彼に話しかけられて
ビックリしてしまった。

この頃から私は、
男子生徒を男性として意識し始めていた。

昔っから引っ込み思案のけがあり、
積極的にみんなと話すと言うことはなかったし、
活発な方ではなかった私は、
他のクラスメートと比べても
男子生徒から話しかけられる事は、
極端に少ない方だった。

だから、突然思いも寄らない所で話しかけられて、
いったい何が起こったのか解らなくなるほど驚いて赤面してしまい、
何も言えなくなってしまった。