「じゃあ、あとはジョー役とエイミー役と大道具だけか。

だれか、立候補か推薦ありませんか？

……なかったら……、
こうなったら……、
ジャンケンでいいですか？

男女関係なく……。」


毎年10月末に行われる学芸会で、
今年2年2組からは

『若草物語』

を出演する事が前回のホームルームで決まり、
今日は配役を決めていた。


ところが、案の定出演者が中々決まらず、
小道具やら照明係やら裏方から次々に決まっていき、
最後に残ったのが主役だった。


司会を任されていた小山は、
中々主役が決まらない事に業を煮やし、
最後の手段でまだ配役、係りともに決まっていない人の中から
ジャンケンで決める事を提案した。


速水圭一は、小山の隣で書記を務めていた。