みんなして、食卓に集まると


台所から出てきた渢香が


「お帰りなさい。お疲れ様」


とテキパキお皿を並べ始める。



「あ、ごめん、手伝うよ」



はな が慌てて台所に駆け込む。



「向こうの鬱陶しいお二人さんは放っておいて
俺らも手伝いますか」


裕灼は欠伸まじりにそう言って
はなのあとを追い、台所に移動する。



「ひどーい!ウチらも手伝うもん」



和匡と見つめ合っていた美弥渼が叫ぶ。



「いや、これ以上は台所に入りきらないから」



翔が焦って二人を止めた。



「用意できたー??」



ようやく席に着いたみんなを見回して渢香がたずねる。



「できたー」
「お腹すいたー」
「カケルが寝ちゃう」
「今は寝てないよ」
「早くしようぜ」



またもバラバラに喋り出す5人をみて
渢香はほわりと微笑むと



「じゃあ、食べよう」



みんなの母親のような落ち着きで、
そう言うのだった。