「私、ね。怖いの。目立ったら周りの人からなにか言われるんじゃないかって」
成月くんは返事をせず、ただ黙って聞いていた。
「本当は小南と比べられて、双子なのに……って言われるのが怖くて……でも、小南や紘也には心配かけたくなくて、気にしないフリして……」
私の目からは自然と涙がこぼれていた。
「もう慣れっこのはずなのに……っなんでだろうね?何回イヤなこと言われても、すごく苦しくて……悔しくて……っ」
生きるのがイヤになっちゃうんだ。
「さっきもクラスメイトの子にスカートが似合わないとか、アイツに彼氏なんて無理とか、根暗とか地味とか言われて……すごく悔しかった……っ小南と比べられて悲しかった……っ」
目から大量の涙を流す私を、成月くんは立ち上がって後ろから抱きしめた。
「………なんで、双子でも別人は別人なのに……1人1人違う人間なのに……比べるんだろうな」
「うぅ……っ」
「小春は……小春なのに。小南とは違う。小春は小南に負けねぇぐらい、笑顔が輝いてるのに」
成月くんも成月くんの言葉も成月くんの胸も温かくて、涙が止まらない。



