2人で隣り合ったブランコに座る。
「ブランコなんて何年ぶりだろ……」
そんなことを言いながら、私は笑顔を作って見せる。
「………小春、理由を聞かせて」
「……ただ、目立ちたくないだけだよ。平凡に過ごしたいだけ……だから、なにも成月くんが心配するようなことは……」
「……ほら、またそうやって1人で抱え込もうとする。そのクセ、やめろよ」
「……っ」
そうだ……気付かないうちに“クセ”になってたんだ……。
我慢して、1人で抱え込んで、1人で泣いて……。
でも……今なら。
成月くんになら、言えそうな気がする。
「成月くん、あのね……っ」
「思ってること、全部話してみ?俺が聞いてやるから」
その言葉で私の口は自然と開いた。



