小さな手のひらサイズぐらいの袋だった。 「なに、これ」 「開けてみ?」 「う、うん」 私は袋を開けて中を覗く。 「……っ」 これは……。 「それ、小春はいらないって言ってたけど絶対似合うと思ってさ。トイレに行ったついでに買ってきた」 嬉しい……けど。 ものすごく嬉しいんだけど……ね? 「私……これ、学校にはつけて行けない」 「……それは別にいい」 「え?」 「でも、理由を教えて」 成月くんはまた私の異変に気づいているような目で私を見た。