ちょ、成月くんと2人にしないでよ!
私、ただでさえ男の子ニガテなのに……。
それに成月くんだって私と一緒にいたくないだろうし。
成月くんの方を見ると、ヒマそうに腕を組んで目をつぶって下を向いている。
て、てか、成月くん食べ終わってるのに全然教室に帰らないってことは……もしかして、私を待っててくれてる!?
「あ、あの、私のことはいいので先に帰ってていいですよ!」
男の子と話し慣れてないから、緊張気味に言った。
すると、成月くんは顔を上げて私を見た。
そのキレイな瞳に、吸い込まれそうだった。
そしてドキドキ鼓動が加速する。
「………紘也にアンタのこと任されたから、待つ」
「で、でも……」
「アンタを置いて帰ったら紘也は色々言ってきそうだし、それに1人って寂しいだろ」
“1人は寂しい”か……。
1人なんて、もう慣れちゃったけどな。
小南がいないときはいっつも私は1人だ。
小南には私とは違って友達もいて、ずっと私に付き合ってられないんだ。
そんなことを思いながら成月くんの方を見ると、少し寂しそうな目をしていた……ような気がした。



