もう……お母さんなんて大嫌い。
いつも私と小南を比べてばっかり……。
……お父さんは優しいのにな。
私は空を見上げた。
私のお父さんは仕事で単身赴任をしている。
だから滅多に会えないのだ。
最後に会ったのは何年前だろう。
お父さんはお母さんとは違って、私と小南を比べたりしないし、すごく優しい。
久しぶりに会いたいなぁ……。
「……って、はやく行かなきゃ!遅れちゃう!」
慌てて待ち合わせの駅まで走る。
「はぁ……っはぁ……っ」
あとはこの道路を渡ればいいだけ……。
信号が変わるのを待つ。
すると、信号の向こうに成月くんが見えた。



